ミシシッピ計画と仮想通貨

 インターネットが普及して投資に対する敷居が低くなった一方で投資に関するリテラシーが無かったり『自分でもよく分からないもの』に手を出したりしてしまう危険性が高くなってしまった現在、もしそれに首を突っ込むのであれば早く参入してパーティーが一番盛り上がったところで引き揚げた方がいいよね。

 僕はその基準を『テレビのワイドショーなどでにわか仕込の自称投資家が短期間で儲かった』という番組をやり出したら警戒することにしている。


 ここ最近の怪しげな投資―というか投機はFX、投資型マンション、そして仮想通貨ブームなンだけど、穿った見方をすればこれはなンか頭のいい人が素人をはめ込むために仕組んでいるのではないかと思うワケです、ハイ。


 日銀の2017年第3四半期資金循環統計によれば2017年9月末の家計金融資産残高は1,845兆円、現預金943兆円、証券325兆円、保険・年金・定型保証521兆円とのこと。つまり保有金融資産の半分は現金等で保有している計算になります。

 2017年の6月末辺りからこれまでその構成比がたった9.1%しかなかった株式が22%以上に増加していますが、これはおそらく投資額が増えたのではなく、未曾有の株価上昇により資産が膨らんだためだと推測します。

 国としてはなンとか国の借金は減らしたいからあの手この手でこの約半分も眠っている家計のお金を経済循環させるべく手を尽くしているものの今いち効果が無い。

 「どうせ遣わないお金なら株式市場に放出してキャピタル・ゲインの夢をみた方がいいよ」という理由でNISAという制度を創ったンではないかと思うので自分は個別投資をしているワケです。

 バブルがはじける前までは企業間で株を持ち合いしたり、証券会社が買い支えたりしたのを国民一人一人に背負わせれば負担は軽く、万が一暴落しても『皆損しているのだから仕方が無い』と諦めさせることができるし、救済措置をとらなきゃいけない可能性も低いワケです。『投資は自己責任』という免罪符があるからね。

 例え非課税にしたって歳出は大きく抑えられて、金融市場の安定化が図れるってもンですワ。

 そしてFXはまさにこの自己責任投機の代表格なのではないかな、と。これまで日銀が為替に対してその是正措置をするためにオペをしてきたワケだけどそれを個人の眠っているお金でやらせちゃえばこれまた日銀はダメージを負わずに済むワケです。

 多大なレバレッジをかけることで大きな利益を得るというこの夢のような投資法は脱税で起訴された主婦もいたように「誰でも多額なお金を儲けられる可能性のある投機」として浸透していくワケです。ま、基本的に大きな値動きをしないのが発行国の信用を示す通貨なンであるからそれは適正ではあるワケです。

 でもそもそも昔のイギリスのサウス・シー・バブルの時に空売り、オプション、先物取引を禁止する法律、サー・ジョン・バーナード法が制定され19世紀半ばまで効力を発揮したようにハイリスク・ハイリターンの投機方法が黙認されているということは借金で膨らんだ偽の経済を調整するために存在している制度だと考えていい。

 FXなンか利益は雑所得や先物取引になるから課税申告漏れで簡単に重加算税で持ってかれちゃうワケだからおいしくて仕方がないワケです。

 きちんとした投資活動として認められた制度なら株式のように確実に税金が徴収できるように源泉徴収&還付可能な仕組みを整備すれば参加者も増える。でもそうしないということは『失う方が多い』ということに他ならないワケです。だってここで全うな投資活動だとしたら、株式とFXの損益相殺させてくれてもいいはずだけどそうさせない、ということがそれを物語っているのではないかと。

 ここ最近の株高で手に入れたにわか投資家が『俺って投資の才能あるじゃね~』的な感じで『やっぱこれからは仮想通貨っしょ!』てな感じで儲けたお金を突っ込んで失うことで実体経済に近づくことになるワケです。

 ジョン・ローの亡霊か、ミシシッピ計画のような虚構の計画に誘われた結果がどうなるか。


 ま、もともと通貨なンてのはそれ自体に価値があるワケではなく『様々なものと交換していいよ』とみんなの合意で決めただけの存在だからその信用力に価値があるワケです。

 そういった意味でも各社が発行してるポイントや割引券、〇〇券、プリペイドカード、チャージカード、クレカだって仮想通貨だと言えなくはない。そしてスマホ時代になってデジタル化され、それこそ「実体のない信用力」に支えられているンだな。

 通貨が実体から仮想になれば、発行コストが減るから発行元は万々歳、その流通量だけ監視すればいいワケです。額面の低い1円や10円硬貨なンか発行すればするほど損するワケだし、スタンプカードとか〇〇券とか紙媒体で印刷されていたものがデジタル化されればランニングコストが断然に下がる上、消費者の購買動向や、年齢・性別、使用履歴も瞬時にデジタル化されてMRが簡単にできちゃうワケだから従来のようなアンケートによる分析なンて必要なくなっちゃう。

 怖いのが今は未曾有の低金利政策だから、仮想通貨を担保にしたノンバンクのような金融業態が出てきた場合が非常に危険だな、と。一時的にはすごく儲かって乱立、それに銀行が資金を融資、不良債権化して焦げ付くというシナリオが最悪。

 『仮想通貨バブル』なンていうのがあったらまた失われた20年が生まれちゃうかもしれないね。そンな中で今度生き残っていくのは実体を多く抱えた製造業になるかもしれない。

 現在積極的に設備投資を行っている企業が生き残っていくのかもしれないね。

 

 

 

株で挑戦!億り人

株式投資で億を目指します。 サラリーマンとの兼業なので現物、指値オンリーの注文スタイルとなります。 本格的に中長期投資で自分の投資スタイルができてきたのが2012年頃から。 まだまだ弱小、でも確実に実績は伸びているかな。 目標は6億貯めて早期リタイアしたい! toto BIGと株、どっちで早く6億円手に入れられるか?! ※記事は個人的な私的意見です。情報の真偽はご自身でご確認ください。

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